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ステンレス豆知識

STAINLESS TRIVIA
ステンレス豆知識

ステンレスって何

そもそも、ステンレスとは何でしょうか。
国際規格であるISO規格によれば、クロム含有量10.5%炭素含有量1.2%以下と定義されている鉄(Fe)を主成分とした合金鋼です。
ステンレスの歴史は割と新しく、1910年前半に発明・実用化されました。
かつては「不銹鋼(ふしゅうこう)」とも呼ばれていました。

ステンレスは英語で「stain-less」と言います。
日本語に直訳すると、錆びにくいという意味を持っています。
JIS規格や金属を扱う業界では「SUS(Steel special Use Stainless)」とも呼ばれます。

ステンレスイメージ

ステンテスが錆びにくいのは何で

  • そもそも、鉄がさびるとは、酸素(O)と鉄(Fe)が結びついて「酸化鉄」が発生することによって引き起こされます。

    そもそも、鉄がさびるとは、酸素(O)と鉄(Fe)が結びついて「酸化鉄」が発生することによって引き起こされます。
  • ステンレスは、鉄にクロム(Cr)を混ぜて作られます。クロムを混ぜることにより、「不動態皮膜」と呼ばれる膜を作り出します。

    ステンレスは、鉄にクロム(Cr)を混ぜて作られます。
    クロムを混ぜることにより、「不動態皮膜」と呼ばれる膜を作り出します。
  • クロムは、鉄よりもさびやすい性質があるので、クロムが優先的に酸素と結びついて酸化されていきます。酸化されると、1ナノメートル程度のかなり薄い「酸化皮膜」という膜を生み出し、表面を覆います。

    クロムは、鉄よりもさびやすい性質があるので、クロムが優先的に酸素と結びついて酸化されていきます。
    酸化されると、1ナノメートル程度のかなり薄い「酸化皮膜」という膜を生み出し、表面を覆います。

ステンレスの種類にはどんなものがあるの

代表成分系 代表的JIS鋼種 金属組織 特性と用途
(当社の主な商品)
鋼板・棒 鋳造 鍛造
クロム系 13Cr SUS410 SCS1 SUSF410 マルテン
サイト
焼入れ硬化性
一般用途、刃物類
18Cr SUS430 フェライト 家庭用器具
(ホースクリップ)
クロム・
ニッケル系
18Cr −8Ni SUS304 SCS13A SUSF304 オーステ
ナイト
ステンレスとして最も広く使用。
食品設備、化学設備等
(継手・バルブ・フランジ・
ホースニップル・ホースクリップ)
モリブデン系 18Cr −10Ni −2Mo SUS316 SCS14A SUSF316 オーステ
ナイト
耐孔食材料、
304より優れた耐食性(バルブ)
二相系 22Cr −5Ni −3Mo SUS329J3L SCS10 フェライト・
オーステナイト
二相組織をもち耐酸性、
耐孔食性に優れ、かつ、高強度
析出硬化系 17Cr −4Ni −4Cu SUS630 SUS24 SUSF630 マルテン
サイト
出硬化性
シャフト、タービン部品

ステンレスの腐食形態って

ステンレスの腐食形態
  • 全面腐食
    酸化力が弱く、不動態皮膜ができにくい環境(塩酸、硫酸、リン酸、有機酸)などで発生
  • 粒界腐食
    結晶粒界に炭化物が析出し、Cr濃度の低下した粒界が腐食する。
    溶接熱影響部、高温環境で発生しやすい。
    <粒界腐食対策>固溶化熱処理、低C化、安定化元素の添加など
  • 孔食・隙間腐食
    孔食⇒表面に点状の孔が発生
    隙間腐食⇒隙間部が選択的に腐食される
    Cℓ-等のハロゲンイオンの作用により不動態皮膜が局部的に破壊される。
    <孔食、隙間腐食の対策>
    ・ハロゲンイオン、溶存酸素の低減
    ・温度の低下、PHの増加、不導態化剤の添加
    ・表面付着物の低減、隙間防止、表面平滑化
  • 応力腐食割れ
    Cℓ-等のハロゲンイオンを含む環境で引張り応力がかかった状態で発生。 不動態皮膜の破壊⇒亀裂発生⇒伝播を繰り返し⇒局部的に割れ進行
    <応力腐食割れの対策>
    ・ハロゲンイオン、溶存酸素の低減、温度の低下、
    ・残留応力の低減
    ・表面付着物の低減、隙間防止、表面平滑化
    尚、黄銅の応力腐食割れは、引張り応力下で、アンモニアイオンや硫化物の生じる環境で発生。

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