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パイプ豆知識

PIPE TRIVIA
パイプ豆知識

管・パイプって何

配管を構成する部材のうち、最も中心的な役割を担うのが「鉄・パイプ」です。
中が空洞になっていて、断面が円状になっているのが特徴です。

配管部品においては、流体を輸送するのに使われます。
配管関連では他にも、ボイラ・熱交換器で用いられる熱伝達用、田やガス田の掘削に用いる油井ゆせい管などがあります。
鉄・銅・アルミ・ポリ塩化ビニル・ポリエチレン・コンクリートなどさまざまな材質が使われ、寸法も直径も数ミリ〜数メートルと幅広いです。

パイプイメージ

パイプはどうして丸いの

そもそも、配管用のパイプはどうして丸いのでしょうか。
それにはきちんとした理由があり、長い歴史の中で蓄積されてきたノウハウとも言えます。

液体を密閉できる
エネルギーロス(損失水頭)を小さくすることができる
上水道の場合、満水で送水します。
この場合、通水断面積を確保するのに円の場合が、管の壁面と水の接触する辺の長さが最小になる。
※多角形の場合、「面積」と「辺の長さの和」の比は円の時に最大
これにより摩擦力が最小になり、送水時のエネルギーロス(損失水頭)を抑えることができます。
管材料が少なくて済む
2と同じ理由により、同じ通水断面積を確保するのに最も管材料が少なくて済みます。
管の内外圧に対して応力集中が起こりにくい
中空構造のものは、横向きの力に対して一番合理的強さを持ちます。
断面が多角形の場合、その頂点部分で応力集中を起こしやすいため、肉厚を厚くしなければならないため経済的ではありません。
円形の利点
取り扱い易さ(転がすことができる)、継手接合のしやすさ(円形には上下左右がない)などがあります。

パイプはどのように分類されるの

材質別

  • 金属管

    金属管
    • 炭素鋼鋼管
    • 合金鋼鋼管
    • ステンレス鋼鋼管
    • 鋳鉄管
    • 非鉄金属の銅合金管
    • アルミニウム管
    • チタン管
    • 鉛管
  • 非金属管

    非金属管
    • 陶管
    • コンクリート管
    • 合成樹脂管
    • その他

製造方法

  • 溶接管

    溶接管
    • 鍛接
    • 電縫
    • アーク溶接
    • UOE
    • スパイラル
    • ベンディングロール
    • 電弧
  • 継目無管

    継目無管
    • 熱間仕上
    • 冷間仕上

パイプの規格はあるの

JISに49種類が規定されており、国内を中心に使われています。
石油産業では主にAPI(アメリカ石油協会)規格が使用されてきましたが、近年では他の用途も含めてISO(国際標準機構)規格が整備され、ISOを採用するユーザも多くなっています。
また、素材そのものの規定では、ASME(アメリカ機械工学会)規格ASTM(アメリカ材料試験協会)規格がよく使用されています。

パイプの選定はあるの

パイプの選定は配管設計の基礎を成すもので、慎重に進められます。
その際、検討すべき事項は、用途によって項目が多岐にわたります。
基本的な内容としては材質の選定があり、腐食性など流体の性状や使用圧力や温度への適合、部材コストだけでなく工事費に影響する施工性など経済性も考慮されます。
次いでサイズは、流速と流量、圧力損失により内径寸法を、また強度では、パイプにかかる荷重や内外圧など応力により必要な肉厚を計算し決定します。

パイプの呼び方に違いはあるの

「カン」と読めば、水道管や金属製のガス管のように硬い印象を受けます。
「くだ」と訓読みした場合、ホースなど柔らかいものを含んだニュアンスになります。

同じように中が空道になっているものとして、「筒」がありますが、こちらはあまり長さがないイメージがあります。
「パイプ(pipe)」の語源は、葦(あし)やストローなどを吹いた際に鳴る「ピーピー」という音、あるいは鳥のさえずりから来ているそうです。
元々、音を出す楽器を表す「管」と同じ発想からきているのは不思議ですよね。

管

パイプとチューブ

日本語やドイツ語では区別はありませんが、英語では一応の定義が存在します。
20世紀初め頃の英米では、パイプは規格品の管チューブは直径や長さ・肉厚などを指定して注文する管と使い分けされていたようです。

管と管を接続するには、管の外径が整理された寸法に規定されている必要があり、かつ普及されていないと不具合が生じます。
これら寸法が標準化された管がパイプと呼ばれ、これに対してはチューブは外径・肉厚、内径・肉厚、外径と内径のいずれかを指定して注文するものと考えられていました。

用途面でも、パイプは水道を始めとする「管を連続的に接続して使用するもの」チューブは「特定の機械装置だけに必要な、寸法に重きを置いて設計されるもの」とされ、現在でも名残が残っています。

パイプとチューブ

ホースとチューブ

非金属で細くて可とう性のあるものは「チューブ」補強層のあるゴム製のものは「ホース」と呼ばれることが多いです。

また、チューブが金属やガラスの硬い管を含んで使われるのに対し、ホースはすべて柔らかい素材で作られた用品に対して使われます。

ホースとチューブ

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